発達障害

発達障害グレー元夫の「結婚挨拶」事例で考える、発達障害者との意思疎通のコツ①

発達障害
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結婚することを決めたカップルが次にやること、それが家族への結婚報告。

大福と元夫トレインは付き合って半年で結婚を決めました。
今回は大福とトレインの結婚挨拶という大イベントで起きたトラブル事例から、トレインがなぜトラブルを起こしたのかと合わせて、発達障害者との意思疎通のコツについて考察したいと思います。

ちなみにトレインは、ASDとADHDの併合です。そして、対人関係のタイプは、主に受動型に当てはまります。

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受動型のトレインは、結婚を私に決めさせた

結婚挨拶の前段階ですが、大福はトレインからプロポーズはされていません。
当時36歳になった大福は、妊娠・出産のことを考えていて、付き合う前から「結婚前提なら」とトレインには伝えていました。そして、付き合って半年くらいのタイミングで話し合いをしました。

付き合う前も言ったけど、子供を産みたいので、結婚する気がないなら終わりにしてください。結婚するかしないか決めてほしい。

・・・じゃあ、どうする?結婚する?

・・・別れないつもりなら、もう結婚してもらったほうがいいので、そうしましょうか。

はい、これで結婚することになりました。
さすが受動型です。基本自分では決めたがりません。
このあとの流れも全部大福が決める必要がありました。

どっちの家に先に挨拶に行こうか?

うーん、そうだね・・・どっちがいいかな?

え・・・そうだね・・・普通は女性からだと思うので、うちが先でいい?

もちろんだよ!

日取りの希望ってある?

いつがいいかな?

といったように、質問に質問を返してきて私が最後は決めるという流れでした。今考えると“自分の中で擬態のモデルケースのない出来事に、どう対応していいか分からなかった”のだとわかるのですが、当時の大福はトレインの発達障害に気づいていないので(涙)「気を遣っているのかな?」と前向きに受け止めていました。

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結婚挨拶に普段着(トレーナー&ジーパン)で現れた

いよいよ挨拶当日。この日のために新調したワンピースを着て、おめかしして待ち合わせ場所に向かった大福。トレインの到着を待っていました。

 

おまたせ!

え?っと・・・これから何しに行くか分かってる?

挨拶だよね?

 

「結婚の挨拶」だよね?

うん、わかってるよ

分かってるなら、その服装なに?

え?ダメなの?

ダメに決まってるじゃん!いつも履いてるジーパンじゃん!

え〜何も言ってなかったじゃん!

・・・じゃあ着替えに帰るよ(ぶつくさ文句)

待て待て待て(もうそんな時間ない)

「結婚挨拶 服装」とかでインターネット検索すれば、いくらでも情報が出てくる時代に、何も調べずにやってきたトレイン。いでたちは、毎日履いてるヨレヨレのジーパンと、いたって普段着のトレーナー、仕事に使ってる薄汚れたリュックサックに履き慣れたスニーカーで、手土産もなし。

「TPO」を考えた服装や振る舞いができないのは、自分が知らない世界を想像することができない特性に加えて、「誰も教えてくれる人がいなかったんだな」と思います。

トレインは受動タイプなので、自分が興味が持てない・こだわらない部分に関しては、常に相手任せ。「結婚挨拶」がどういうものなのかという本質も知らないので、表面的な言葉だけ捉えて「本当に挨拶にいけばいいだけ」と思っていたんですよね。

「お父さん、娘さんを僕にください!絶対に幸せにします!」なんてシーン、今まで1度も見たことなかったんでしょうね。

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公共トイレで服を着替えさせたら非常アラーム鳴らして飛び出てきた

待ち合わせ時点からわちゃわちゃの大福とトレイン。
「結婚」という人生の大イベントを軽く扱われたと感じて憤慨した大福
もうすでにカサンドラ要素が漂っていましたね。
ですが、待ち合わせ場所でずっと怒っていても仕方がないので、急遽最寄り駅にあった駅ビルに駆け込み、綺麗めパンツとカーディガンを大福が自腹で購入。スニーカーとリュックはもう諦めました。更に、手土産も大福が自腹で購入。

どうですか、この尻拭いな感じ。
このブログをご覧の方なら同じような感じを一度は味わったことがあるのではないでしょうか。
ちなみにトレインといえば、この時すでに「予定外の出来事」に処理が追いつかず、完全にテンパっていました。
やはり、想定外の出来事にはとことん弱いです。

両親への訪問時間も迫っていたので、そのままビルの男子トイレで着替えさせることにしました。大福は廊下のベンチでやれやれと思いながら待機していました。すると、

男子トイレ<ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ

突然、トレインのいる男子トイレから大音量で非常アラームが鳴り始めました。
かと思えば、アラーム音の鳴り響くトイレから汗だくになったトレインが、ものすごい形相で走って出てきました。

えっ?!なに?どしたの?!?!

わからない!とりあえず、行くから!!!

(トレインが特急のごとくすごいスピードで走って逃げていく)

 

え!!!ちょっと待って!!!(てか、どこに!)

ビルの外に走って飛び出ていったトレイン。
意味が分からず後ろから追いかけていくと、着替えた服をそのまま抱え、うなだれているトレインがビルの裏の階段に座り込んでいました。

ハァハァハァ・・・まじで焦った・・・

完全に不審者

よほど焦ったのか、全力疾走して汗だくではぁはぁと息切れしていました。
とてもこれから「結婚挨拶」に行く人の様子とは思えません。

着替えてたら壁に腕があたって・・・そしたらいきなり音が鳴り出して・・・とりあえず急いで着替えて逃げてきた・・・

どうやらトイレで焦って着替えてる時に、何かの弾みで個室に着いていた緊急通報ボタンに腕が当たってしまったようです。

緊急ボタンの写真

・・・逃げる必要ないじゃん、すみませんって言えば済む話じゃん

もう頭が真っ白になって・・・

すでに想定外の流れでパニックだったトレインにとって、非常アラームが鳴り出したことは、想定外中の想定外のため大パニックを起こし、そこに加えて、「ごめんなさい」が素直に言えないプライドの高い性格と、ADHDの衝動性で逃げてしまったという感じでした。

これから結婚しようとしてる人が、ジーパン・トレーナーの手土産もなく現れて、トイレの非常アラームを鳴らして逃げる。当時の大福は一抹の不安を抱えたはずですが、まだトレインに希望や期待を抱いていたし、もう結婚すると決めてしまったこともあって、受け入れてしまっていたのです。

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挨拶はできた

トイレでのパニック飛び出し事件を乗り越えて、やっと両親の元へ訪問した大福とトレイン。

はじめまして!トレインと申します!

よろしくおねがいします!!!(ドヤァ)

めっちゃキレイな定型文で挨拶はできました。
なぜなら「今日は挨拶の日だ」とトレインが理解していたから。逆に言えば、挨拶さえできればそれでいいと理解していたとも言えます。

言葉通りに理解したこと「だけ」はできるんですよね・・・。

それ以降は事の本質を理解しないままきているので、両親から出されたご馳走をたらふく食べて、豪勢なもてなしに大満足して世間話程度のことしか話さないまま終わりました。

両親は、とりあえず顔合わせできちんと挨拶したトレインに対しては好印象。
そんなわけで、一抹の不安を残すまま、大福の両親への「挨拶」は終わりました。

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当時の大福が、トレインの発達障害に気づいていたら取っていた対処法

じゃあ、どうするのが正解だったのか。
当時の大福は、トレインの発達障害に全く気づいていない状態だったので、トレインが取る行動の理由が全く理解できず、振り回されっぱなしでした。
そこで、もし当時の大福がトレインの発達障害に気づいていたら、どういう対処をしていたかを考えてみます。

結婚挨拶の本質と意味を徹底的に説明する

まずはここです。

結婚挨拶ってどういうものが知ってますか?結婚挨拶というのは、結婚することを決めた相手の親に『お父さん・お母さんが大事に愛情をかけて育ててきたお子さんと、これからは自分が一緒に生きていきたいです。お子さんが幸せになる責任を自分が引き受けます。お子さんを必ず幸せにするので、人生をともに生きることを許してください』という許可をもらうためにお願いをしに行くことを結婚挨拶と言います。

この大枠の説明大事です。また合わせて

本当に『こんにちは、大福さんと結婚することになったトレインです』っていう挨拶だけで終わるイベントではないことはわかるよね?特に女性にとっては、相手が自分のことをどれだけ本気で想ってくれているのかがわかりやすい大事な人生のイベントでもあるんだよ

と、ここまで教えこんでおけば

そか、すごく大事な挨拶ってことだね

と理解したと思います。

服装は画像を見せながら指定する

上記の「結婚挨拶」の大事さを理解したとしても、それだけではトレインはジーパン・トレーナーで現れてしまいます。「大事な挨拶」と「服装」を連動してTPOを想像することが出来ないからです。
結婚してからも、TPOに見合った服装ができなかったことは何回もありました。
そのため、服装は指定しておかないといけません。

スーツできてね、もしスーツが嫌なら、ジーパン・トレーナー・スニーカーは避けて。
できるだけきれいめなYシャツとスラックス系のチノパンとかがいいんだけど、こういう服ある?
(ネットでイメージにあう服装などを探して画像で見せながら確認していく)

口頭説明するよりも、「これ」と思う画像を見せて視認させることにより、より具体的なイメージが伝わりやすくなると思います。

家にあるスーツでいいかな?面接の時に着た、ネイビーのやつがある

などと、本人の口から具体的に言ってくれたら伝わったなと大福は思いますね。

手土産も商品を指定する

こんなこといったら失礼かな?という遠慮は、発達障害の人相手には不要です。もちろん「言い方」は気をつけないといけませんが、言わずに相手の特性によって振り回されて後悔するより、言って後悔したほうがマシくらいの気持ちでいいと思います。

結婚挨拶って、礼儀として手ぶらではいけないものなので、何かちょっとしたものでもいいから用意してもらっていい?安すぎると失礼だし、うちの母が◯◯店の和菓子好きだから、私が代わりに用意しておいていい?建て替えておくから当日お金もらうね。

今の大福なら、これくらいはっきりいいますね。
お金も自分が用意するといったら、払わなくていいと一方的に解釈してしまう可能性があるので、しっかり「当日にお金をもらう」ことは伝えておきましょう。
それで嫌な顔するような人とは結婚しないが大吉です。

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前半まとめ

きっとこうしていたら、トイレの非常アラームはならなかった(そもそもトイレで着替えないといけない状況にならずに済んだ)と思うポイントを改めてまとめると、以下の3点です。

  1. 行動の目的そのものの本質を1から教えて、何のためにやるのかを正しく理解させる
  2. 口頭の説明だけだと伝わらない内容は、実際に写真が画像など「視覚情報」からも伝える
  3. 確実にやってほしいことは、できるだけ具体的に指示する(伝える)

これまた「なんで結婚したの?」と言われかねない出来事が起きた、トレイン家への挨拶が続くのですが、またそのうち更新します!

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