※ネタバレの内容あります!まだ知りたくない人はご注意ください。
こんにちは。
寒暖差の激しい日々で体調崩しがちの大福です。
歳を取ると元気な日のほうが少なくなってきますね…。
さて、こないだ、フジテレビの木曜ドラマ「いちばん好きな花」で松下洸平さんが演じる「春木椿」は発達障害なのか?というテーマで記事を書きました。
ドラマは、11月23日時点で7話まで話が進みました。
相変わらず「いちはな」にハマっている大福なのですが、今回は椿のキャラクターに続いて多部未華子さんが演じている「潮ゆくえ」というキャラクターに注目してみたいなと思いました。
「潮ゆくえ」は34歳独身、塾講師をしている女性。
ゆくえも小さな頃から、ある種の生きづらさを抱えて生きてきているという人です。
「生きづらさ」の代表といえば「発達障害」の代名詞なわけで、発達障害かもしれないという目線でずっと観てきたので、今回まとめてみたいと思いました。
【いちばん好きな花】潮ゆくえの生きづらさ
では、椿の時と同様に、ゆくえにとっての生きづらさは何なのか?について大福なりに考察したいと思います。
①社会に対する疑問(違和感)が強い
第1話のオープニングは、ゆくえの「二人組を作るのが苦手だった」という言葉から始まります。
これは、単純に捉えると対人関係に対する不安かな?と受け取れますが、もうひとつの側面として「社会」に置き換えることができるのかなって。
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一人だと社会じゃないけれど、2人からは社会がはじまるじゃないですか
窓際に飾られた3輪の花をみて近寄るゆくえのシーンがあるのですが、3輪の花は椿・紅葉・夜々を連想させます。
ゆくえにとって、3人の存在は、窓際に飾られた花のような癒やしをくれる存在ということなのでしょう。
この冒頭から、ゆくえというキャラクターは、今の社会において、なかなか受け入れられない価値観をもって生きている人なのかな?という印象を大福はもちました。
また、ゆくえが同窓会に参加するシーンがあるのですが、友達だと思っていた同級生の結婚式に自分だけ呼ばれていなかったことを知ります。
自分が友人から除外されていた事実に落ち込むと同時に、そういった女社会のめんどくささみたいなものにうんざりしているような印象もうけました。
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『生まれてきた世界(性別?)を間違えてしまった』と思っているような…
②理解されにくいの価値観で生きている
椿、夜々、紅葉と会うようになるまでは、彼女にとって友達と呼べる存在は、同級生の赤田という男性ひとりだけでした。
たまに、美鳥(みどり)という人物と電話で話しているようですが、高校生時代の塾の先生であり、友人とは言っていません。
ゆくえは、赤田に対してのみ「親友」だと言っています。
大人になったゆくえは、
気が合わない人と一緒にいることにあまり価値を感じていません。
表面的な付き合いをするくらいなら一人でいいといった印象。
そんな人が「親友」と呼ぶくらいなので、
ゆくえにとって赤田は、唯一同じ価値観を持っている人なのでしょう。
ゆくえが、赤田のつけてきたネクタイをみて、
「そのネクタイださいよ」と、はっきり指摘するシーンがあります。
ネクタイは、実は赤田が彼女からもらったプレゼントで、
赤田のセンスで選んだものではありませんでしたが、
その事実を知る前のゆくえの指摘の仕方や言い方がきつかったのが印象的。
「唯一感性の合う赤田が、感性とズレたものをつけている」っていうことに対する不快感といいますか、裏を返せば、それだけ二人の価値観や感性が同じことへの自信の現れでもあるわけです。
ここで一つ気になるのは、ゆくえと赤田はなぜ「親友」なのかという点です。
周りからも「彼氏同様」くらいに思われているような存在だったのに、ゆくえは「友達」というラインを絶対に譲りませんでした。
これは大福の想像でしかないですが、ゆくえにとって「恋愛」は「親友」より下の位置づけにあるのかなというのが1つ思いつきました。
ゆくえは、子供の頃から友達を作るという点に対してずっと苦しい気持ちを抱えてきたようなので、もしかしたら恋愛のほうが簡単なことだったのかもしれません。
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やっと同じ価値観の人と出会えたと思うと、
絶対に失いたくない存在になりますよね。
ゆくえにとっては、赤田は「やっと出会えた本当の友達」だったのでしょう。
少なくとも、恋愛以上に「赤田」という存在が大事なポジションにあったのは確かです。
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なんせ、赤田との別れは失恋よりも辛かったわけですから。
そして、赤田もきっと同じ気持ちだったのだろうなと思いますね。
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そこまで気の合う人って、人生でそうそう出会えないですもんね
男女の関係を超えて、恋とか愛とかそういうのも全部超越して、自分の唯一の相方くらいに思っているとでもいいましょうか…。だから、男女の世界で物事を考えていなかったといいましょうか…。
彼女に二人で合うことを禁止された赤田が、もう二人では会えないことをゆくえに告げるシーンがあります。
そこで、わざわざ「別れ話しをしにきた」と赤田がいうことからも、二人にとっては恋愛以上につらい別れだったのだろうなと。
そういう次元の存在じゃないはずなのに、男女だったばかりに離れないといけないことが、ゆくえは解せないし、赤田も本当は解せません。
「しょーもな」と悪態をつくゆくえに、
「違う価値観の人と生きていくにはこっちが合わせたり折れたりしないといけないこともある」と言い、その理由は「相手のことが好きだから」って赤田がいうんです。
ゆくえにとっては、男女関係を超えて大事だとお互いに思っているはずの相方から「男女関係」で物事を測られ「男女関係」で好きな人のために自分を切り捨てる赤田がいるショックは相当なものだったでしょう。
でも、ゆくえは赤田を失ったことによって、今までの狭かった世界が広がったのは確かなので、この別れって必要な別れでしたよね。
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赤田を失ったことによって、ゆくえは人間的に一皮むけたんですよね〜
赤田とのガチガチの世界からの別れがあったからこそ、椿・紅葉・夜々とも一緒に楽しくいられるようになったと大福は感じます。
もし、ゆくえが発達障害だった場合、この自分の中でのこだわりを柔軟に変えるのって結構難しい気がしますね。赤田がそこまで大事な存在なら、なんとしても手放さなかったと思います。
むしろ、ゆくえは、新しい価値観に適応していく柔軟さすら感じます。
③空気を読めすぎてしまう
ゆくえは、その場の空気や人の思いみたいなものを察知するのが、誰よりも早いと思います。
頭の回転が早い彼女にとって、場の空気を掌握することは当たり前のことであって、その能力を発動させると、場にそぐわない先回りした発言などで空回りしてしまうのではないでしょうか。
また、周りの人が自分のように空気を読める人ばかりではないんだということに気づいてからは、自分も空気が読めないようなふりをしつつ、自分なりに防御しながら生きているように思います。
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本当はわかっていることも、わかっていないふりをしていることがたくさんあるのではないかなって。
椿とゆくえは「空気を読む」という点においては同じくらい高い能力を持っていると思いますが、椿については、子供の頃の発達特性がストーリーで描かれていましたので、発達特性由来のHSPとして空気が読めるのではないかなと大福は解釈しています。
一方ゆくえの場合は、発達障害に対する描写も特にないですし、とにかく頭が良い故に本来見なくても良いところまで世界が見えてしまい、その感性によって培われた「空気を読む力」なのかなと思います。
④結構ネガティブ
これは頭の良さによって引き起こされる感受性がそうさせている可能性があるのですが、ネガティブ思考に陥る癖があるようですね。
過去に勉強も友達付き合いも頑張ったけれど、頑張っただけ人から嫌われるというトラウマがあるようなので、そのトラウマが発動するせいかもしれませんね。
でもこれって、大福が想像するに、もし同じクラスに「頭がよくて、運動もできて、友達ともうまくやってて、がんばりやさんな優秀な子」がいたとしたら、なんとなく気が引けて自分なんか釣り合わないかな・・・とか思って遠慮がちになっちゃう周りの気持ちもわからなくもない。
その気が引けている様子を「嫌われる」に繋げちゃったのかなぁと思うと、もったいないなと思いましたね。
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もっと自分の感性に自信もてればいいのだけどね…
【いちばん好きな花】ゆくえの魅力
まずわかりやすいところでは、とにかく頭がいいってことですよね。
頭の良さによってもたらされている能力がたくさんあります。
場の掌握ができて適切な対応を取れるのも、人のことを理解して受け止めてあげられるのも、頭の良さゆえにもたらされた感性や世界感も、彼女の魅力だと思います。
ちなみに、気の合わない人と一緒にいることに価値を感じていなかったのは大人になったゆくえで、子供の頃のゆくえは周りに合わせて自分の価値観を見せないで適応して生きようとしていたのです。
そこまで頑張ってきたのに、当時友達だった人で大人になってからも繋がっている人は一人もいなかったわけです。
「みんなと同じ感情になれないのが怖い」「自分だけ違うことを感じていることが怖い」「自分は人とは違う価値観なのだ」という自覚があったゆくえにとって、誰ともわかりあえなかった価値観を共有できた赤田の存在が、どれだけ大きな支えだったのかってことですね〜
そして、赤田との別れを乗り越えて得た強さが、ゆくえを優しい人にした気がします。
この「優しさ」もゆくえの魅力の1つだと思います。
ゆくえの優しさは、椿の優しさとはまた質の違う優しさだなと大福は思います。
椿の場合、元々持っている人の良さによるところが大きいですが、
ゆくえの場合、赤田に見せていた本当のゆくえは、特に性格の優しい人だったわけでもありません。
つまり、ゆくえの優しさって、自分の苦い経験から生み出された賜物かなと。
椿の優しさは、ふれるだけで癒やされるようなエネルギーですが、
ゆくえの優しさは、人を選ぶ優しさといいますか。
だれにでも万能に効く優しさってわけじゃないといいますか。
怪我をしていない人にはあまりよくわからないけれど、
負傷して血を流してる人がいたら、その手当をしてくれるような優しさという感じがします。
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椿も紅葉も夜々も傷ついてきたから、
ゆくえの優しさが響くのかなぁって
それから、彼女は不器用なように見えて、実はとても器用でバランス力が高い人だなと思います。
椿のように同僚に裏でバカにされることもないし、塾の先生として生徒からは人気があり、気難しそうな妹ともうまくやっている。
34歳独身でも、そこにコンプレックスをいだくこともないくらい自立した生活も送れています。
たまに電話で長話しするような関係性の人(美鳥)もいて「普通の人と違う価値観で生きている」けれど「孤独に生きているわけじゃない」のです。
自分のことも客観的に見ることができ、自分をニュートラルに保つ努力もするので安定しています。
ところが、赤田と椿の家で再会した時は、派手に感情を爆発させます。
そこまで感情を爆発させるくらいの存在って、やはり赤田以外いないのではないでしょうか。
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椿の前で素の感情を出せたのは、赤田がトリガーだったとしてもゆくえにとっては良かったのではないかなと思いますね。赤田のポジションに次はまるのってもしかして椿?とすらおもっちゃいました。
【いちばん好きな花】潮ゆくえは定型発達、頭が良くて天才肌な変わり者
以上のことを整理してまとめると、大福なりの見解としては「ゆくえは定型発達」というのが現状の結論です。
発達特性があって、グレーゾーンとか障害とかまでの特性があったとしたら、もっと実生活で生きづらさが、どこかしらで表面化していると思います(椿のように)。
でも、ゆくえの場合、自分の生活はそれなりにうまくやりこなせてますし、彼女の生きづらさって自分の感性や価値観と日本の現代社会がマッチしないってところが大きいような気がするんですね。
それは、むしろ彼女の頭の良さや能力由来のもので、発達特性由来のものとは考えにくいなぁって感じが大福はしたので。
ゆくえのキャラクターって理解を進めるのが結構難しかったのですが、興味深かったので少しでもドラマを見るツマミにでもしていただければ幸いです!
また紅葉や夜々のキャラクターについても、気が向いたら書いてみようかな。
もしよかったら、下部のコメント欄で感想などいただけると嬉しいです!
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